トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜【書籍化】

そのうちに、明日香がまた声を上げる。

「これ、どこまで行くんですか?もしかして、ずっとこのまま、出口がないとか?!」

いやー!と叫び出しそうな明日香を、落ち着け!と瞬は黙らせる。

「エレベーターは動いてるはずだ。もう少し先まで行くぞ」
「は、はい!ありがとうございます!エレベーター!」

何を言ってるんだ、こいつは、と思いながらも、間抜けなカニ歩きをひたすら続ける。

ようやくエレベーターホールに辿り着いた。
見上げると、階数ランプもついている。

(よし、大丈夫だな)

下へのボタンを押すと、ほどなくしてポーンとエレベーターのドアが開いた。