はぁ…と一気に力が抜ける。

「相変わらずだよね、瞬くん」
「うん、私、今まで1度もまともに喋ったことないかも」
「私もだよー」

りな達が、さっきまでのテンションとは違って真顔で話す。

「そうなの？」
思わず明日香がそう言うと、
「うん、なんかね、近寄りがたいというか…オーラがね」
「でも、歌とか踊りはめちゃくちゃ上手だよね」
「それだよー、私、クリスマスのコラボ、瞬くんと絡む場面が何度かあるけど、すごい緊張するー。下手くそって思われてそう」
「確かにー。アイコンタクトとか、無理〜」

3人は困ったように口々に言う。

(そうなんだ。確かに近寄りがたいかも…)

さっきの瞬のひと言と、先日の廊下でのやり取りを思い出して、明日香もそう思った。