トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜【書籍化】

「明日香、とにかく話してみて」
紗季がそう言い、明日香は戸惑いながら続ける。

「あ、はい。あらかじめ重ね着して曲ごとに外していこうかと。まず最初の曲では、赤のワンピースです。見た限り踊りは激しくないので、この時の衣装はマジックテープですぐ脱げる様にしておきます。次の曲に移る時、ツリーの後ろに隠れますよね?」

明日香の言葉に、陽子は動画を調整してそのシーンに戻した。

「ありがとうございます。あ、ここです。ここでしばらく時間があるので、ツリーの後ろで背中のマジックテープを外します。そうすると、中は白のトップスと、あとフレアスカートがさらっと流れ落ちるようにしておきます」

紗季と陽子は、じっと動画を見ながら考え込んでいるようだ。

「きよしこの夜では、男女ペアになって踊りますよね。この、女性がくるっと回るところ、ここです。この時にスカートがふわっとなったら素敵かなと」

明日香は黙ったままの2人を気にしつつ、話を続ける。

「この曲のあとまたツリーのアップになります。でもあまり時間はないので、スカートだけチェンジします。マジックテープを外すと、緑のミニスカートになってそのまま最後までいきます」

どうでしょうか…と自信なさげに明日香は呟く。