トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜【書籍化】

「じゃあみんな、私はモニターの横で見てるわね。頑張って!」

マネージャーの優子はそう言って、列の後方に去って行った。

(私もそろそろ行こう)

そう思いながら、明日香は最後にもう1度3人の衣装をチェックする。

ふうかのスカートの裾を少し整え、よし!と頷く。
りなは、しゃがんでハイヒールのストラップを調整し直していた。

(衣装は大丈夫そうね。あみちゃんもOK)

指差し確認すると、
「じゃあみんな。私もあっちのモニターで…」
そこまで言った時だった。

ビリビリー!

ざわめきの中、ひときわ高い音が響く。

(え、何の音?)

そう思ったのはほんの一瞬だった。

(布が裂けた!どこ?誰?!)

明日香は素早く3人に目を走らせる。

次の瞬間、
「キャー!りな!」
あみの悲鳴が上がる。

見ると、りなのウエストのリボンが、ダランと床まで垂れ下がっていた。