「明日香…?」

しばらくうつむいていた明日香は、ゴシゴシッと腕で涙をぬぐうと、パッと笑顔を見せた。

「ありがとう!瞬くん。パワーが満タンになった」
「…えっ?」
「おかげで5年は頑張れそう。私もバリバリ仕事、頑張るぞー!」

そう言って、涙の跡が残る顔で笑う明日香がたまらなく愛おしくなり、瞬はそっと明日香の肩を抱き寄せ、キスをした。

身体中にしびれるような幸せを感じ、胸がいっぱいになる。
明日香も瞬も…

やがて顔を離すと、明日香は照れたように下を向いてから呟いた。

「これで10年頑張れる…」
「え?10年?!俺は5日も持ちそうにない…」

そしてもう1度、そっとキスをする。

「…これで20年」

またしても呟く明日香に、ハハッと笑いながら、瞬は明日香の顔を覗き込む。

「パワーが足りなくなったら、いつでもこっそり言いに来いよ?」
「うん!」

涙で潤んだ瞳で見上げながらにっこり笑ってみせる明日香を、瞬はたまらずまた抱きしめた。