「お疲れー!いやー、良かったよ!新曲!」

何人ものスタッフに声をかけられ、ありがとうございますと笑顔で応えながら、3人はようやく控え室に続く廊下に出た。

「ふぅ、終わったねー」
「なんとかね」
「ちゃんと出来てたかなー?」

そんな3人の後ろから、サザンクロスのメンバーが声をかける。

「いやー、3人とも、凄かったよ!」
「そうそう。スタジオの雰囲気ガラッと変わって」
「持ってかれたよねー。そんでその次、俺達やりづらいったら!」
「ほんとほんと!ちっちゃくなっちゃったよ。お、おねがい、しまーす…みたいな」
「当分の間、出演順変えてもらおうぜ。コットンのあとは無理ですって」

3人は、ええー?まさかーと笑う。

「そんな中、うちのエース!」
そう言って直哉は、瞬の肩をガシッと後ろから掴む。
「いつにも増してキレッキレ!」
「そうそう!途中からもうカメラマンさん、瞬しか追ってなかったよね」
「俺も気付いたー」

瞬は、え?そうだった?と他のメンバーを振り返る。

そして改めてコットンキャンディの3人に声をかけた。

「3人とも、バッチリだった。練習以上だったよ。俺も見てて引き込まれた」

りな達は一段と嬉しそうに笑った。

「瞬くんにそう言ってもらえるなんて!」
「全部瞬くんのおかげです」
「ほんと!ありがとうございました!」

3人は揃って頭を下げる。

瞬は、イヤイヤ、みんなの実力だよと言ったあと、俺達も頑張らないとな!と、サザンクロスのメンバーを振り返る。

おお!負けてられるか!
と直哉達は拳を握った。

明日香は少し離れた所で、そんな彼らの姿をそっと見守っていた。