「あんた、なんなの?」


 さて、待ちに待った放課後。人気(ひとけ)のない体育館裏。


 ムカつくやつを締め上げるには最高の場所である。


 ある日突然『撫子、友達になろうよ』から始まり、毎日毎日無邪気な笑顔を振りまきながら『一緒にご飯食べようよ~』とか『放課後遊びに行こ!』とか。


 まともに話したこともないのに、長年の友達かのように接してくる陽キャ。私の席の周りで歓談するのはご勝手にどうぞって感じだけども『撫子はどう思う?』って話を振られるのはマジ勘弁。


 だいたい、“朝ごはんに食べる目玉焼きになにをかけたらいいか”なんて話で私に絡んでくるな。


 そんなの、自分の直感で好きなものを選んだらいいんだよ。大して親しくもないクラスメイトに聞くもんじゃないだろ、あほか。くだらない質問で人様の時間を奪おうとするんじゃない。


 ちなみに私は絶対に醤油派。陽キャと一緒なのが地味に嫌だが、これは譲れない。