「ご、ごめん。確かに唯くんはとばっちりだよね。もしも嫌ならどこか別のところに行った方がいいと思う! 笹羅くんと行けば寂しくないだろうし!」


「違う。あんたに言ったんじゃない……あいつら」


 唯くんが睨む先を見ると、2人組女子の片方が気まずそうに胸の高さまで上げていたスマホを隠すように下ろした。


 見間違いじゃなければ、スマホの裏面……カメラがこっちに向いていた気がする。


 根拠がないから決めつけはできないけど……唯くんは見てたはず。


「もしかして、撮られてた?」

「シャッター音が鳴ってたから間違いない」

「……消してもらうように頼んでくる」

「いいよ。うざいけど慣れてるし」


 投げやりみたいに力なく言った唯くんの表情は固くて。


 唯くんは諦めてるらしいけど嫌な気持ちにさせてしまったのは、私がここに連れてきたせいでもある。


 だから、私にはアレをなんとかする義務がある。それに。