人生で初めて絶望を覚えたあの日から、早1週間。


「うっっっまい!」


 ウェイトレス姿の桐山を横に、私はほっぺたを落としていた。


 可愛い男の子と微イケメンメガネ男子を前にしながらのホイップたっぷりふわふわパンケーキは格別に美味しい。


 ここがやつらのバイト先じゃなかったら一人で通い詰めるのにな。非常に残念。


 何度もここに来ようものなら『そんなに俺らに会いたいのか?』とか『そんなにここが気に入ったか』とか、クソ総長にどや顔で言われるに決まってる。それは癪だからここに来るのは2週間に1回くらいにしよう。


 ……まぁ、私に一人で外出する時間なんてなくなってしまったんだけども。


『仲間になった記念に焼き肉行こうぜ! 撫子の分は俺たちの奢りってことで!』

『いや、私は了承してないんだけど?』

『はぁ……薫が宣言した時点で、なに言っても無駄。諦めて』

『それにね、桂木さん。流星の絡みのせいで、敵対してる奴らにもう既に目をつけられてるんだよ』