その時、爆音が迫ってきて堤防をバイクが駆け下りてきた。


「迎えに来ました、姫さま~」


 まだ10分もたってないのに、和泉ちゃんとレディースのみんながバイクに乗って姿を現した。


「ちょっと、早くない!?」


 私と奈緒くんの周りを、爆音を響かせながらグルグルとバイクで回ってる。


「イケメン君、姫さまは頂いてくからな」


「どうぞ、ご自由に」


「うちらのマスコットガールにするから、金髪のままでたのむぞ姫さま!」


「こままじゃ、学校に行けないですよ~!」


 強引に和泉ちゃんのバイクに乗せられ、走り出そうとした時……


「和泉さん、今日はありがとう。たすかったぜ」


「あたしにクールな低音ボイスで囁いても、姫さまは渡さないわよ!」



 和泉ちゃんはそう言うけど、感謝の言葉に対しての照れ隠しなんだろう。