隣の家に住んでいた大好きな同級生の男の子。

 小学校を卒業する前に、転校して姿を消した彼。


 両親の転勤が理由だったとしても、黙ってこの町を出て行くなんて酷いよ。

 最後に顔を向き合わせて、話したいことだってあったのに……


 口数が少なくてクールな性格だったけど、私だけには優しく接してくれていた。

 私が口下手で内気な性格の地味子と知ってる幼なじみ。

 一緒にいて会話をする時間が、とても心地よかった……


 内気な性格の私に、中学校生活で友達はできないまま。

 学習机に頬杖を付いて、二階の自室から外を見つめても隣はずっと空き家。

 いつも私のことを気にかけてくれた、優しい幼なじみの姿はない……



 でも、高校へ進学した私に奇跡が起きた。



「よっ、元気にしてたか」


 私が中学生だった三年間、その空白時間を飛び越えるように彼が姿を現す。


 背が高くてイケメンに変貌した幼なじみとの再会。



 胸が、ぎゅっと締め付けられる私の思いとは裏腹に。

 彼には、想像することもできないヒミツがあった……