ほんの少ししか一緒にいることはなかったけど、凛くんの口から悪口が出てきたことは一度もなかった。 「…ありがとう」 お兄ちゃんのことは大好き。 だけど、あまりにも過保護で私に甘いから、そういう所を見られるのは多少抵抗があった。 そんなお兄ちゃんを、誤解せずにいてくれたた凛くん。 凛くんのそういうところが、やっぱり… 「…好きだなぁ」 「っえ……?」 凛くんはキョトンとした後、みるみるうちに顔を赤く染め上げていく。 口を金魚のようにパクパクさせて、ちょっと面白い。