「夢羽、今日は余裕があるから送っていこうか?」 2人で玄関の外に出ると、家の鍵を閉めながらお兄ちゃんがそう聞いてきた。 その言葉に私は首をふるふる横に振る。 「ううん、大丈夫」 ここから歩いて20分ほどの場所に高校はある。 電車に乗らなくて済むのは、とてもいい立地じゃないのかな。 「そう?じゃあ、お兄ちゃんもう行っちゃうよ?」 「うん、行ってらっしゃい」 「何かあったらすぐ連絡するんだよ」 相変わらず過保護…。 「わかった」