すぐ目の前には、鼻筋が通った『眉目秀麗』と言われるような顔が。 耳に入る声は、よく通る甘く低い声。 私も一度は見た事のある人だった。 「か、かいちょ…っ…!?」 今私を抱っこしている彼は、この薔薇園学園の生徒会長である神々千歳(みわちとせ)生徒会長だった。 「さぁ、行こうか」 目を見開く私をお構いなしに、抱っこしたまま校内を進んでいく神々先輩。 さすがにこの状況で「下ろしてください!」とバタバタ暴れても、ただ落ちてまた痛い思いをするだけ。