「ん、お兄ちゃん取るよ」 私の口元についたパンを取ろうと手を伸ばすお兄ちゃんに、私も近づく。 「うん、取れた。まだあるから、焦って食べなくても大丈夫」 「うん、わかった」 にこりと笑うお兄ちゃんは、太陽に負けないくらいキラキラしてる。 お母さんとお父さんは、どっちも美男美女。 その遺伝子を受け継いだお兄ちゃんは、妹の私から見てもアイドルになれると言えるほどカッコイイの。 私もその血が流れてる……はずなんだけど。 「ん…?夢羽、どうした?」