知らないフリ…なんて、するはずも意味もない。 とにかく否定するために、頭だけを横にぶんぶん振る。 なんだか今日は、本当に色んな人から声をかけられる気がする…。 厄日なのかもしれない。 「ふーん……じゃあさ、質問変えるね」 今度はなに?と思ったら、ズボンのポッケからあるものを取りだした。 ………手鏡? 小さなそれは、太陽の光を反射して眩しく輝いている。 その手鏡を私に向け、口を開いた。 「自分のことを、可愛いって思ったことある?」