最強王子とフェンス越しの溺愛キス



そこで点と点が、少しだけ繋がったような……。

あと少しで合点がいきそうな私に、新島はこう付け加えた。



「生吹ってすげー強ぇだろ?そんですげーイイ顔だろ?

だからよぉ――

俺は密かに、生吹が総長じゃないかって思ってんだよなぁ」

「!!」



合点が、いった。

新島の言いたいことが、やっと分かった。



「生吹くん、が……総長、ってこと?」

「あぁ?そーじゃねーかな〜って思ってるだけだ。でも、そう思ってるのは俺だけじゃねーよ。たぶん、皆勘づいてるぜぇ?」

「生吹くん、が、暴走族……」



しかも、親玉。総長。


ガンッと、頭に強い衝撃が加わる。


さっき真白ちゃんと話した事が、また脳内に流れた。



『赤って言えば、血は平気?』
『暴走族って言ったらケンカでしょ?』



「〜っ!」



胸がギュッと締め付けられる。頭が、またズキズキと痛み始めた。



「お〜お〜、いい反応だねぇ」



苦しむ私の様子を、新島は面白そうに見ていた。



「生吹が総長ってのは、初めて知ったってツラだなぁ。アイツ、自分の女にもまだ言ってねぇのかぁ?

ま、いーか。別に総長が誰だって、俺はそこまで気にしてねーんだ」

「え……?」



ニヤニヤ笑っていた新島。

だけど顔を歪めて「はぁー」と、わざとらしくため息をつく。



「俺はなぁ、腹を立ててんだよ。アイツが事あるごとに、俺の勧誘を断ったのをな。

大人しくLunaに入りゃいーのによぉ。そうしたらアンタも、こんな目に遭わなかったのになぁ……可哀想になぁ?」

「!」