「昨日は……ごめんなさい」
「ん?何のこと?それより、ほら。
今日はコレ持ってきたよ」
「あ、ブランケット!」
生吹くんの手には、温かそうなブランケットが二枚。
「上から投げるね」と、生吹くんはフェンスより高くブランケットを投げて、私に渡してくれた。
「温かい……ありがとう、生吹くん」
「んーん。職員室に置いてあったから。ちょうどいいなって思って」
「(え)」
職員室って、それはいけないんじゃ……。
だけど、B校の事情を知らない私は、お言葉に甘えて使わせてもらう事にした。
生吹くんの事だし、昼休みが終わったら、職員室に返しに行くんだろうな、きっと。
「じゃあ食べよっか」
「うん」
私はお弁当。生吹くんはパン。
いつものお昼ご飯を、いつものように食べていた、その時。



