最強王子とフェンス越しの溺愛キス



「あ、ありがとう、ございます……っ」

「うん、だからさ。
僕と今日、一緒に帰ってみない?」

「え?」



だからさ――の繋ぎ方が分からない。



「わ、私と一緒に、帰る?」

「うん、帰りたい!」

「私と一緒にいたら変に思われますよ?」

「え?そんなの関係ないよ。僕が美月ちゃんと一緒にいたいんだから」

「で、でも……」



でも、だけど。
と悩む私を一瞥して、純弥先輩はパンッと手を叩いた。



「うだうだ言わない!はい、決まり!放課後、校門で待っててねー!」

「え、あ、ちょっと……じゅ、純弥先輩ッ!」



引き留めようと伸ばした手も虚しく、純弥先輩はこの場を後にする。

バタンと屋上の扉は閉められて、そして一人きりになった。



「な、何が、なんだか……」