「純弥先輩。私が魔女って呼ばれてるの……知ってますか?」
「うん。魔女にしては可愛すぎるよね!」
「いや、そういうことじゃ……」
純弥先輩はニコニコしていて、どこか掴みどころがない。ばかりか、どんどん近寄ってくる。私の気も知らずに。
私は「魔女」の言葉が聞こえる度に、小さくなって震えるというのに。
だけど先輩は、そんな震える私の手を、スルリと掴んだ。
「え、手、て……っ!」
「あぁ、ごめん!つい、我慢できなくて」
「(が、我慢……?)」
そんなに手を繋ぎたいことって、ある?
ダメだ。
純弥先輩を全く理解できそうにない……。
頭がパニックになっている私に、純弥先輩はニコリと満面の笑みを向けた。
生吹くんと同じくらい長身だけど、背の低い私に合わせてくれ、背中をクイッと曲げる。



