「開けて、美月」
「え」
「今ここで、美月に見てほしくて……ダメ?」
「ッ!」
生吹くんの「ダメ?」はいつもズルいなって思っちゃう。どんな状況でも「いいよ」って言っちゃうから。それが例え、私が嫌な事であっても。
「ありがとう、開けるね」
「うん」
小さな箱を開けると、今度は可愛いケースが出て来た。ケースは硬い。
これも、中を開けるようになっている。
「(手が、震えてきた……っ)」
ドキドキが個室に響きそうで。
私の体から、すごい熱が出てきそうで、怖い。
今が幸せ過ぎて――怖い。
パカッ
「わぁ、可愛いネックレス……ッ!」
中身は、ケースの中に丁寧に織り込まれていたネックレス。
小さなリングに宝石が埋め込まれている、大人っぽいデザイン。
「美月につけても良い?」
「は、はい!お願いします……ッ」



