「キレイだね」
「うん……」
「この時間が永遠に続いたらいいのにね」
「……え?」
生吹くんは、まだ外を見ていた。
伏し目がちで、表情は少しだけ曇ってる。
「ま、まだ夕方にならないくらいだし……今日まだまだ遊べるよ?」
だから、そんな事言わないで。
こんな幸せな時間はもうないって、そんな事を連想してしまうような切ない言い方はしないで。
私の考えている事を悟ったのか――生吹くんは「ごめん、なんでもない」と表情を変えて笑った。
そして、
「これ、受け取ってほしいんだ」
私に小さな箱を出す。
「こ、れ……?」
小さな箱といっても、私の手のひらに乗る充分なサイズ。
軽い。箱が重いだけで、きっと中身は――



