「今日、言おうと思ってたんだけどさ」
「うん?」
「クリスマスイブの日。
デートしない?二人で」
「で、デート……!?」
思っても見なかった言葉に、また顔が赤くなる。
「私で、いいの……?」
「うん。美月と一緒にいたいんだ」
そう言って笑ってくれる生吹くんが、本当に王子様のようで。
優しい優しい、王子様のようで。
この人と一緒にいられるだけで、私は本当に幸せだと実感する。
「お願いしますッ。どうしよう、楽しみ!」
「ふふ」
顔を合わせて笑う、私と生吹くん。
そんな私たちを、退店する前にチラッと一瞥した純弥先輩。
そして――