「嫉妬してるの。美月が好きだった“ あかめ”に」
「え……し、嫉妬!?」
「そう、嫉妬」
「〜っ!」
恥ずかしさに耐えられなくなって、咄嗟に窓の外へ目を移す。
すると――
「わぁ、大きなクリスマスツリー……っ」
クリスマスが近くなると、街の中が途端に賑わう。
大通りに面しているこの場所は、大企業が広告ついでにツリーを設けていた。
「キレイだね!もうすぐクリスマスなんだね」
まだ明るいというのに、惜しみなく照らされているライト。
12月24日――クリスマスイブ。
「122450……」
「俺もちょうど思い出してたよ。その番号」
「あ、ご……ごめんね」
「なんで?謝ることなんて何もないよ」
「でも、」
焦った私の手を、生吹くんが握る。



