最強王子とフェンス越しの溺愛キス



「じゃあ、またね美月ちゃん」

「はいっ。また!」

「うん」



先輩が去り際に伝票を持って行ってくれた事に気づかなかった私。

トラウマを克服できた事の余韻で、先輩の後ろ姿を見ながらボーッとしていた。



「美月」



視界を遮るように、生吹くんが私の目を隠す。そして、次に私の視界に写ったのは、生吹くんの顔。

しかも、ドアップ……!



「さすがにここでキスはしない。けど、ちょっと思う所はあったかな」

「思う、ところ……?」

「そう。分からない?」

「……??」



意味が分からなくて首を傾げる。

すると生吹くんは「やっぱり美月が魔女なんてありえないよ」と笑う。