「うん……よかった」
「え?」
「僕がもう心配する事はなさそうだなって、そう思っただけ」
「純也先輩……」
純也先輩は、私の頭をナデナデと優しく触れる。
まるでお母さんに撫でられているような安心感……。
「ありがとうございました、純也先輩」
「なんでお礼?」
「前に……進めた気がするんです」
笑って言うと、純也先輩も笑ってくれた。
「それが僕の願いだよ。僕の見たい物は、美月ちゃんの笑顔だからね」
「!」
「それから、お前。あかめって奴への嫉妬に狂って、こんな所で美月ちゃんにキスするなよ」
「……するわけないだろ」
私たち二人を交互に見た純弥先輩は、席を立ちあがり鞄を持った。これから学校に行くのかな……?



