「その時から、過度に人の顔色を見るようになったんです。
その人が今なにを思っているか、見逃さないように。私が、勘違いしちゃわないように……」
全てを話し終えて二人を見ると、反応は様々だった。
私の隣で怖い顔をしている生吹くん。
そして、私の正面で、何やら考え込んでいる純也先輩。
「え、と……?」
逆に、私がどう反応していいか迷っていると、純也先輩が「それってさ」と私を見た。
「照れ隠し、だったりしないかな?」
「てれ、かくし……?」
「うん。男の子はよくあるんだよ。本音を言うのが恥ずかしくて、つい嘘の事を言っちゃうんだ」
「うそ……?」
え、じゃあ……。
あの子の言ってた「好きじゃない」って言うのは……?



