「美月……」
「い、生吹くん……っ。
待って、ここ玄関、」
簡単に理性が崩れると知った夜。
美月を諦めようとした決意さえ、簡単に崩れさった夜。
そして、
どんなことがあっても、美月を絶対に守ると誓った夜――
「はい服脱いで、パジャマに着替えて」
「……へ?」
「今日はずっと離れずに添い寝するからね?」
「そ、添い寝……?」
「ほら、離れないって言ったでしょ?」
「~っ!?」
口をパクパク動かす彼女を、愛しく思う。
「(それで、いいんだ)」
自分の気持ちに素直でいい。
いいんだ。
気持ちの温め方は、きっとぞれぞれだろうから――
生吹 side end