「(で、でも……!)」
さっきの光景を思い出す。
『私が公園で休もうなんて言わなきゃ。美月を一人にしなきゃ、あんな事には!』
私の心配をした時の真白ちゃん。
あの時の彼女は、ありのままの真白ちゃんだった気がする。
だから――
「(小太郎くんの言うことを信じたくない)」
そう思う私がいた。
だけど、
「言いたい事はそれだけ?」
「!」
「へー、強気ッスね」
真白ちゃんが反論した瞬間、小太郎くんが更に構えた。
何か起こるのではないかと、小太郎くんは周囲に目を配っている。ものすごい集中力だ。
だけど、真反対なのが真白ちゃんだった。
はぁとため息をついて、頬に手を添えている。その姿は、まるで世間話をする奥様たちの風貌だった。
「ヤローが戦いごっこ好きなのは小学生までだと思ってたけど……。あ、でも小さいから小学生か!」
「はあ!?さっき美月ちゃんが”同じ学校”って言ってたッスよね!?何聞いてたんッスか!?」