「真白、美月と二人で帰りたかったの！なのに今日は男子のヤローが一緒にいるから、それがヤダ！」
「もしもーし、聞こえてるッスよー？」
「（わわ、真白ちゃん……っ）」
険悪な空気を少し払拭出来たと安心していたら……。すぐに新しい爆弾が投下されてしまった。
「男子のヤロー」なんて言われたら、さすがの小太郎くんも今までニコニコしていた笑みを消す。
「悪いッスけど。あんたと美月ちゃんを二人きりにするわけには、いかないんッスよねぇ」
「ヤローの嫉妬ぉ？醜い～」
真白ちゃんの言葉に、小太郎くんのおでこに青筋が入ったのが見えた。
も、もうやめて！真白ちゃん……っ！
「あの二人とも、そのへんに、」
そう言いかけた時だった。
「引っかかるんスよねー」と、小太郎くんがまた鋭い目つきをする。
笑みを浮かべたまま睨むから、かなり怖い顔つきだ。
