「私も小太郎くんも同じ一年ですよね?なら、敬語をやめにしませんか?」

「タメで喋っていいんッスか?」

「も、もちろんだよっ。それに、私の事は美月って呼んで。ね?」

「……天使っ!!」



どうやら小太郎くんは、私が笑えば笑うほど泣いてしまうらしい。

「美月ちゃん~!」と隣で感激の涙を流しているらしい彼を、私は……



「(おいで、って言ってしまいそう。ワンちゃん的な意味で……)」



本当に子犬を見る目で、眺めてしまった。



「でも、本当にいいんスかね?」

「え?」



あれからしばらく経って、小太郎くんが落ち着いた時。

小太郎くんが、私にいきなり質問をする。



「美月ちゃんって生吹の彼女じゃないッスか。俺なんかが気軽に名前を呼んじゃっていいのかなって」

「か、彼女……っ?」



ボンッと顔が赤くなる。

赤面顔の私を見た小太郎くんが「天使…っ」と、また涙ぐんだ。


けど、その事に構っている余裕はなかった。

だって、

誤解を解かなきゃ……っ!