「っ!!」
生吹くんの赤い顔が伝染して、私の顔はタコみたいに真っ赤になった。
だって、だって。
「(生吹くんは最強って言われてるくらい強い人で、王子様って言われてるくらいカッコイイ人で、総長って噂されるくらい有名な人なのに)」
そんな人が、私のことを思って赤面してくれるなんて……っ。
ドクン――
私の鼓動が、一気に高まる。
「(あ、どうしよう。私……っ)」
生吹くんともっと一緒にいたいって。
生吹くんにもっと甘い言葉を囁いて欲しいって。
生吹くんにもっと触ってもらいたいって――そう思ってる。
「生吹、くん……私っ」
目の前にいる男の子に、私は今、何をしてもらいたいか。
それを伝えようとした、その時に。
「美月、お願いがある。
今……抱きしめてもいい?」
生吹くんから、お願いをされてしまった。
「!、は、ぃ……っ」
まさか自分が言おうとした事を生吹くんに言われるなんて思わなくて。
また舞い上がった私が、一歩。生吹くんに近づいた。