「何が嬉しくて朝からお前のハイテンションに付き合わないといけないんだか……」
「まーまー!隣の席同士、もっと仲良くしよーよ〜!」
純也先輩が「隣の席」って言った。え、ってことは二人は同じクラスってこと?
「そうだ伊織〜?一限の課題写させてよ〜。僕数学嫌いだよー!大嫌い!」
「じゃあ、なんで理系に来たのさ。もっかい一年生から戻って勉強したら?」
辛辣な言葉を吐いた藤堂先輩だったけど、純也先輩はチラリと私を見て「それいいねぇ!」と目を輝かせた。
「僕の愛しの美月ちゃんが、もしも隣の席になったら!最高すぎだよー!」
「は?“ 愛し”の美月ちゃん?」
生吹くんが反応したのに目もくれず、純也先輩は話を続ける。
「教科書忘れたら一緒に見て、小テストも交換して丸つけして……。
あーもう〜!何で僕は二年も早く生まれちゃったんだろうねー!!」
とても朝とは思えないテンションで喋る純也先輩に、汰生さんは「うっさ!」と耳を塞いだ。
藤堂先輩も同感なのか、純也先輩の口を抑えて、私たちを見た。



