「俺と生吹くんは、友達?」
「いえ、違います」
「じゃあ何かな」
「赤の他人……です」
気まずそうに答えた生吹を見て、藤堂さんは面白そうに笑う。
藤堂さんは若干、陰湿な性格をしている。たぶん、今もしかりだ。
困る生吹を見て、高みの見物をしている。ニヤけた口が、何よりの証拠だ。
「生吹くん、今日会ったのも何かの縁だ。だから君に、良い事を教えてあげよう。
何かの情報を得たいなら、まず君が俺に何かを捧げることだよ。
無償で情報を手渡す組織ではないと、生吹くんも分かるだろう?暴走族っていうのは基本、取引なんだよ」
「……」
テーブルに両肘を着いてニコニコ話す藤堂さん。生吹は雰囲気に呑まれる……事はなく、淡々と口を開く。
「分かってるつもりです」と。
「ほぅ」
ニヤリと、藤堂さんの口角が上がる。
そして、近くにあった角砂糖を一つ。容器から出して、ポロンと、生吹の前に転がした。



