最強王子とフェンス越しの溺愛キス


藤堂さんも同じことを思ったのか「嬉しいねぇ」と笑みを浮かべる。



「最強王子と謳われる春風生吹くんと、こうやって話が出来るなんて。

俺のことは藤堂さんと呼んでくれ、一輝もそう呼んでいる。君のことは、生吹くんと呼んでも良いかな?」



生吹は頷いて答える。

そして藤堂さんに、こう尋ねた。



「突然ですが。きな臭い事が起きてまして。ある女の子の周りで」

「きな臭い事?」

「主にLunaの事です。総長不在の今、総長代理の新島がやりたい放題。女の子を攫って襲おうとした事実もあります」

「ゲスいねぇ、風上にも置けない」



生吹は藤堂さんの反応を見てから「本題なのですが」と、真剣な口調で切り込んだ。



「俺が聞きたいのは、真白という人の事です」

「真白?」

「ご存知ありませんか?」




生吹の問いに、藤堂さんは……無表情な顔をした。その反応は、知ってるともとれるし、知らないともとれる。



「ねぇ、生吹くん」



そして藤堂さんは「Yes」とも「No」とも答えずに、こんなことを口にした。