「それでは、美桜さん。あなたには今後、イギリスからオンラインでミーティングに参加していただきます。ショーの企画やアイデアなど、これまでと変わらず、みんなと一緒に話し合いながら作り上げていってください。そして日本に里帰りする時には、たとえ一週間でもショーに出演していただきたい。あなたには、現場で後輩達に教えてもらいたい事が、まだまだたくさんあります。いいですね?」
信じられない思いで聞いていた美桜は、由香のまっすぐな視線に慌てて頷く。
「は、はい」
「アレンさん。そんな訳で、あなたの奥様が日本とオンラインミーティングをする際は、どうか許して、見守っていただきたい。そして日本に帰国した際は、奥様がまたここでショーに出演することをご了承いただけますか?」
「はい、もちろんです。よろしくお願いいたします」
「うむ。よろしい」
すると、もう我慢の限界とばかりに、みどりが一気に笑い始めた。
「あはは!もう由香ったら。やめてよー。私、笑い堪えるのに必死だったんだから。どう考えても変な人だったよ?それなのに、美桜もアレンさんも真面目に答えてるし…ってちょっと、美桜、まさか泣いてる?」
「だ、だって、嬉しくて、思ってもみなくて、そんな…。私、ここを辞めなきゃって、悲しくて、でも」
しゃくり上げそうなほど涙を流す美桜の背中を、アレンがそっと撫でる。
「まあね、由香はどう見ても怪しい神父さんだったけど、言ってることは間違ってなかったわ。美桜、辞める必要なんてない。たとえイギリスにいたって私達は一緒に働けるわ。まだまだがっつり関わってもらうわよ」
「そうよー、縁が切れると思ったら大間違いよー。あ、帰国する時はお土産忘れないでよね。いつもの紅茶と、それから」
「ショートブレッド!」
由香とみどりと美桜、三人の声が重なり、思わず皆で笑い出した。
結婚おめでとう、と改めて二人から祝福を受ける、涙と笑顔の美桜の横顔を見ながら、本当に良かったとアレンは心から思った。
信じられない思いで聞いていた美桜は、由香のまっすぐな視線に慌てて頷く。
「は、はい」
「アレンさん。そんな訳で、あなたの奥様が日本とオンラインミーティングをする際は、どうか許して、見守っていただきたい。そして日本に帰国した際は、奥様がまたここでショーに出演することをご了承いただけますか?」
「はい、もちろんです。よろしくお願いいたします」
「うむ。よろしい」
すると、もう我慢の限界とばかりに、みどりが一気に笑い始めた。
「あはは!もう由香ったら。やめてよー。私、笑い堪えるのに必死だったんだから。どう考えても変な人だったよ?それなのに、美桜もアレンさんも真面目に答えてるし…ってちょっと、美桜、まさか泣いてる?」
「だ、だって、嬉しくて、思ってもみなくて、そんな…。私、ここを辞めなきゃって、悲しくて、でも」
しゃくり上げそうなほど涙を流す美桜の背中を、アレンがそっと撫でる。
「まあね、由香はどう見ても怪しい神父さんだったけど、言ってることは間違ってなかったわ。美桜、辞める必要なんてない。たとえイギリスにいたって私達は一緒に働けるわ。まだまだがっつり関わってもらうわよ」
「そうよー、縁が切れると思ったら大間違いよー。あ、帰国する時はお土産忘れないでよね。いつもの紅茶と、それから」
「ショートブレッド!」
由香とみどりと美桜、三人の声が重なり、思わず皆で笑い出した。
結婚おめでとう、と改めて二人から祝福を受ける、涙と笑顔の美桜の横顔を見ながら、本当に良かったとアレンは心から思った。



