両親が驚いて息を呑むのが、下を向いたままの美桜にも分かった。
「お二人には、この様に突然のお話となってしまい、申し訳ありません。どうか、私達の結婚を認めていただけないでしょうか」
アレンは、床につきそうなほど低く頭を下げる。
美桜も祈るような思いで頭を下げた。
長い長い沈黙が続く。
やがてふうっと息を吐いてから、美桜の父が口を開いた。
「美桜、お前はどうなんだ?お前の気持ちは」
美桜は唇をきゅっと引いてから顔を上げた。
「私は、イギリスでアレンと一緒に暮らしたいと思っています。簡単に決めたことではありません。私達は、一月にイギリスで再会した時、お互いを思いながらも気持ちを口にせず別れました。住む世界が違う、そう思ったからです。でも、四日前に私は覚悟を持ってまたイギリスに行きました。お互いの気持ちを確かめ、アレンは私の為に、自分が日本で暮らすと言ってくれました。嬉しかったけれど、それは私が望むこととは違います。私は、アレンを必要としている人達のためにアレンが力を注ぐのを、そばで支えていきたいです。そして、自分らしく生きていくためにも、アレンと一緒にこの先の人生をともに歩みたいです」
「…美桜」
母が少し涙ぐみ、美桜はいたたまれない気持ちになる。
「お二人には、この様に突然のお話となってしまい、申し訳ありません。どうか、私達の結婚を認めていただけないでしょうか」
アレンは、床につきそうなほど低く頭を下げる。
美桜も祈るような思いで頭を下げた。
長い長い沈黙が続く。
やがてふうっと息を吐いてから、美桜の父が口を開いた。
「美桜、お前はどうなんだ?お前の気持ちは」
美桜は唇をきゅっと引いてから顔を上げた。
「私は、イギリスでアレンと一緒に暮らしたいと思っています。簡単に決めたことではありません。私達は、一月にイギリスで再会した時、お互いを思いながらも気持ちを口にせず別れました。住む世界が違う、そう思ったからです。でも、四日前に私は覚悟を持ってまたイギリスに行きました。お互いの気持ちを確かめ、アレンは私の為に、自分が日本で暮らすと言ってくれました。嬉しかったけれど、それは私が望むこととは違います。私は、アレンを必要としている人達のためにアレンが力を注ぐのを、そばで支えていきたいです。そして、自分らしく生きていくためにも、アレンと一緒にこの先の人生をともに歩みたいです」
「…美桜」
母が少し涙ぐみ、美桜はいたたまれない気持ちになる。



