とりあえずここはどこなのだろう、と混乱する心を少しでも落ち着かせようとベッドから降りて部屋を探索してみることにした。そして、ベッドから一歩足を下ろした刹那、エリーは驚いてしまう。

天蓋付きのベッドが置かれたこの部屋の広さは、エリーが住んでいる部屋の三倍は広い。大きなクローゼットの中には、リボンやレースがたっぷりのデザインや色の違うロリータワンピースが何着も入っており、ドレッサーにはたくさんのメイク用品やアクセサリーが入っていた。

「いや、ここどこなの?」

この部屋に窓はないため、ここがどこなのか当然わからない。ドアに触れてみたものの、ドアは固く閉ざされて開かなかった。つまり、エリーは今軟禁状態ということになる。

「でも、あたしは昨日仕事が終わって普通に夜ご飯とお風呂を済ませたし、ベッドに横になってた。誰かに連れ去られたなら気付くよね?」

エリーが住んでいる部屋は、随分昔に建てられたため、窓やドアを少し開けただけでも大きな音が出る。どんなに熟睡していたとしても、何者かが窓やドアを上げれば気付くはずだ。