side萌香

私はバーのカウンターで上杉桜良にメールを
送ると、もう一つの携帯に映し出された
彼女が恐怖に怯える顔に満足してほくそ笑んだ。

私は芸能人のような可愛いルックスから
小さい頃から男性からチヤホヤされて生きてきた。
そのせいで学生時代は女子生徒から反感を買い、何度となくいじめにあってきたのだ。

その影響から、幸せそうな女性を見つけると
その女性から彼を奪いたくなる衝動にかられてしまうのだ。彼女より私のほうが勝っているという優越感が私の好物だ。
これは、一種の病気だと自分でも思うほどに。


私が甘い声で誘惑すれば
男なんて簡単に尻尾を振ってついてくる。

しかし、自分のものになってしまえば
途端に相手の男の興味は薄れてくる。

そして、取られた女は男に対してではなく
私に対して怒りをぶつけるのだ。

そういった女には
『こっちも言い寄られて迷惑してるんですけど』と被害者を演じるのだ。

そうすると、相手の女も言い返すことができず恥をかかすこともできて自分も優越感に浸れるのだ。