Restart〜二度目の恋もきみと

「一人だとなかなか作る気になれなくてね。」竜海さんは自嘲気味に笑いながら言った。

そして「桜良の味噌汁が恋しいよ...」とボソリと呟いた。

「えっ?あっ..」

私はびっくりして言葉を詰まらした。

それはどういう意味でいったのだろう?

ただ単に私の作ったお味噌汁を懐かしんでるだけ?

それとも...

真顔で運転する竜海さんからその真意を読み取ることはできない。

あまり変に期待を抱いてしまったら後でつらくなってしまう。

「ちゃんと食べないと駄目ですよ。
スーパーでも即席で作れるお味噌は
沢山ありますしっ」

私の言葉に竜海さんは一瞬、悲しげな表情を浮かべたような気がした。

しかし、「ありがとう。今度覗いてみるよ」
と話す頃にはいつもの竜海さんに戻っていた。

きっと気のせいだ。
お味噌が恋しいと言うのも単に懐かしんでるだけ..

そう自分に言い聞かせながら
胸の奥がギュッと痛んだ。