竜海さんがリビングルームの電気をつけると
目の前に広がる乱雑に散らかった部屋をみて
思わずゴクリと息をのんだ。

「ここんとこ、忙しかったんだ」

そう言ってしつこく言い訳をしながら、竜海さんは急いで部屋に散らかったものを片付け始めた。

私はそれを横目にキッチンの冷蔵庫を開けて
中を覗いた。

「やっぱり..。
この前、ちゃんと食べてくださいって言ったじゃないですかっ」

私がいた時の調味料の他は何もない状態の冷蔵庫の中身に
私はムッと口を尖らせながら言った。

「いや、ちゃんと食べないととは思っていたんだけど、忙しくてつい..」

竜海さんはリビングルームをザっと片付けると
「お風呂沸かしてくるよ」と言って
逃げるようにその場から去って行った。

残された私は呆れながらも
流し台にそのままにしてあるコーヒーカップを洗い始めた。