翌日の朝。

私は意味分かんないくらい早く起きて,カフェで時間を潰した。

『酔ってどうしよもなかったので連れ帰りました。何もしてないので安心してください。鳴り響く目覚ましのモーニングコールはどうでしたか? 帰って支度してちゃんと出社してくださいね。二日酔いそうだったら勝手に家のもの使ってください。それから鍵はポストに。桜島真依より』

家の鍵と共に置いてきた書き置き,家の場所が分からないからと気持ち多めのタクシー代。

ちゃんと見つけられただろうか。

起きたら知らない部屋なんて不気味すぎる。

疚しさと意趣返しと恨みと心配と。

混ぜ混ぜになった手紙から,彼は何を感じるのだろう。

だけど……必要以上に早く設定した目覚ましを,顔の真横に置いたのはどうか許して欲しい。

そんな事を思いながら,お手洗いで身嗜みを確認した私はいつも通りの時間に出社した。