余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。

「以外と子供っぽいところも全部全部可愛い!」



ギャップがどうのって,やっぱりそれは木村さんの方じゃ……?

でも,悪く言われているわけではないのだと伝わってくるため,どうにも嫌だと思えない。



「完璧さの中に時折見える,ちょっと抜けたところがさいっこう……」



瞳の色がおかしな方向に行きだしたのを見て,私は慌てて声をかけようとした。

と,自力で意識を取り戻した木村さんがハッとする。



「コホン……ん,んー……すみません」



頬を赤らめて,ポツリと謝った。

え。

やっぱ,可愛いのも全部,木村さん……



「ほ,ほんとにそう思ってる?」



私なんて完璧じゃないって。

寧ろ抜けてばっかのドジでアホなんだって。



「……はい。まぁとにかく,よく分かりませんが自信持ってください。先輩がわざわざ好きな人諦める必要なんて,ミリ単位も存在しませんから」