流愛……。ほんとごめん。今すぐに仕事ができてしまった。
流愛のことを狙っている男がいたとは…。今すぐ片付けてくるからもうちょっと待っていてくれ。




「月里。」
一番情報通で味方についてくれるのは月里だな。
「なーにっ?りお君。」
「さっき話してた、流愛のこと言ってた男って誰…?」
早く…早く教えてくれ!!
「……くんと、……くん。あと……くんも。あとは憧れみたいな感じで拝めてる人はいるけど、本気で狙ってるのはその3人。」
3人も…っ!拝めんのもほんとは嫌だが…まずはそっちだな。
「よし、了解。」
「手荒な真似はしないでよねっ?私の友達なんだし……」
当たり前だろ……驚くような方法で大人しくさせてやる!!
「わかってるよ。すぐ片付ける。」
「はいはい……頑張って……」
月里は呆れたような顔をしていた。




「なあなあ、何の話してんのー?」
男子たたちはぱっと顔を輝かせた。
「お!城波もキョーミあんの??」
「そりゃそうだろー!俺をなんだと思ってんだよー」
特別扱いし過ぎなんだよなぁ…俺もお前らとおんなじ人間だっつーの!
「マンガの話〜!!〇〇っていうんだけどなー」
「え!!俺、その作品ちょーファンなんだが!?!?」
お前らが好きな漫画わざわざ読んできてやったんだよ……
「えー!!まじかよ!俺ら趣味めっちゃ合うじゃーん!!」
好きな女子も同じくれーだかんな…




よし。一週間でだいぶ取り込めた。もうこいつらは俺に従順だな。
「俺さぁ、お前らに言っときたいことあんだよねぇ。」
「なんだよー凜音!!恋愛の話かぁー?」
俺はお前たちのことを言うんだよなぁ。
「お前らさぁ…俺の流愛に手ぇ出さないでくれっかな??」
「あっ……………。もちろんだよ。俺たちは凜音の親友だかんな!璃浜さんのことは客観的に見て美人だなーって言ってただけだし!狙わねーって!安心しろ!」
いい答えだ。ちょっと心配だけどな。
「あったりめーだよな!!要らない心配だったよ〜!ごめんごめん疑うようなこと言ってさ!」
「あ、あはは!もちろんだよな!」
「そりゃそーだよ!」
「凜音のパートナー奪うような下手な真似するようなやついねーよな!」
ちょっと焦った様子で笑う一人目に、同意する二人目、おだてる三人目。
「うんうん!やっぱお前らは俺の味方だ!ありがとなー!」
よしおっけー!これで安心な生活が戻ってくるぞー!
「うん!!」
いやぁ、めちゃくちゃ平和的に終わったわー!良かった良かったぁー!!これで安心して流愛のもとに帰れるぞー♪




流愛は、この一週間片付けに回っている間、恥ずかしくて逃げ回る俺を追っている時がしばしばあった。夕食時にいつもよりおしゃべりになったし、心配そうに見守ってる時が多くなった。それだけ心配かけてることがよくわかった…。申し訳ないないけどもう少し待ってくれ…!!と毎日思ってた。

「流愛、ただいま。」
「あっ…!凜音…。早かった…ね」
流愛はぽろぽろと涙をこぼしながらソファーでうずくまっていた。それを隠すように涙を拭っていたが、泣いていたのがバレバレだった。
「なんで泣いてるんだ!?流愛!!!誰にいじめられたんだ!?それともお腹痛いとか!?」
俺は恥ずかしがって避けていたことも忘れて泣いている流愛に駆け寄った。
「うぁぁぁん………っ」
「流愛!!まじでなんで泣いてるんだ!?怒らないから…言ってごらん??」
どうしたんだよ……流愛!!心配するから……!!
「凜音が避けるからぁ……悲しくて…心配でぇ……全然部屋に戻ってこないしぃ………」
え……それが原因……!!!え、嬉しいけどごめんっ…!!
「もーっ!!!流愛……可愛い!!!ごめんな、ちょっと忙しかったんだ……!ほんとに……!!すまん!!!俺は流愛のこと愛してるからっ!!」
「ほんと…???」
流愛は潤んだ目で聞いてきた。
「もちろん……!!!」
あぁ、いろいろ経験したけど、俺は流愛が好きだ。すぐ勘違いして、自分のことほったらかしでも優しくしてきて……。こんなに俺のこと大切にしてくれるやつはいないって思ってる。




俺たちが笑いあった瞬間、流れ星が流れた。