遅刻しないよう、毎日余裕を持って登校していた。


今日は同じ制服を着ている生徒もあまり見かけない。


この時間、とても快適かも。


学校に着き、教室へ行くとまだ誰もいなかった。


夏が近づいてきているからか、教室の中がムシムシしていて、空気の入れ替えのために窓を開けた。


窓の外を見ながら、自分の席に座る。


外からは、朝練をする声が聞こえてきた。



「勉強、しようかな」



私は部活に入っていないけれど、勉強と部活の両立は大変だと思う。


いや、入っていないっていうのは嘘になるかもしれない。


去年までは英里ちゃんと未奈ちゃんと一緒に茶道部に入っていた。


お茶の立て方を学んで、作法を学んで、それ以外は立てたお茶と和菓子を食べ飲みながら、しょうもない会話をして楽しんでいた。


あの頃は、楽しかったなぁ。


あの一件があって、英里ちゃんと未奈ちゃんと仲が悪くなってから部活にも気まずくて行かなくなった。


そういえば退部届出してないや。


まぁ、いっか。


イヤホンを取りだし音楽を適当に選択してかけてから、カバンの中から英単語の書かれた単語帳を出して、勉強を始めた。