そう言われて、神代くんの解説に耳を傾ける。
神代くんの説明は、とてもわかりやすかった。
自分で解説を読んでも全然わからなかったのに、それを噛み砕いて教えてくれた神代くんのおかげで、解き方を理解することができた。
「すごい……神代くん、ありがとう」
「どういたしまして」
そう爽やかな笑顔で言われた。
「本当にこれテスト出るからね」
神代くんは念を押して言う。
「でも、夢でしょ?」
「んー、じゃあ他にも教えてあげるよ」
「他?」
特に求めているわけではないのだけれど。
まぁ、聞くだけはタダだし……
面白半分で聞いてみることにした。
「クラスの茂木が明日の英語の授業で居眠りして怒られるよ」
「あの茂木くんが?」
茂木くんというのは同じクラスの男の子。
成績優秀で、とても真面目な人。
そんな茂木くんが居眠りで怒られる?
今まで居眠りなんかしているところは見たことがない。
しかも、よりによって厳しいと言われている先生の授業である英語の時間にだ。
真夏に雪が降るようなくらいありえないできごと。



