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テスト前だからか、教室内はいつもよりもピリピリしている。
朝の時間も休み時間も単語帳を開いたり、勉強に励んでいる人も多い。
もちろん、余裕があるのか勉強が嫌いなのか、何もせずに友達と喋っている人もいるけれど。
私はそんな友達もいないから、自分の席についてテスト勉強を始める。
勉強は好きでも嫌いでもない。
ただ、自分の将来のために頑張っているだけ。
努力のかいもあって、成績はいつも上位の方。
赤点は取ったこともない。
それはちょっとした自慢だったり。
その日の帰り道。
やっぱり神代くんは私の後ろをついてきた。
ひとりぼっちの私と一緒に行動する人なんていない。
ただ1人、神代くんを除いては。
「……はぁ」
「何、ため息?何かあった?」
その原因はあなただというのに。
随分と呑気な人だなぁと思う。



