いつもより集中力が続かない。
きっとこれも神代くんのせいだ。
さっきから“予知夢”のことが頭をよぎる。
ノートの端に、“予知夢”と書いてみた。
今わかっていることをその隣にメモしていく。
わかっているのは帰り道に交通事故に遭うということだけ。
そこまで書いて、ふと現実に戻る。
「何書いてんだろ、バカバカしい」
意味のわからない“予知夢”なんて真剣に考えても仕方ない。
本当に予知夢なんてものが見られるのなら、私の将来が幸せなのか見てほしいくらいだ。
「あ、私、死ぬんだっけ」
それならどうでもいいや。
なるべく痛くないといいな。
お母さんとお父さんに遺書でも書いておくべきか。
「いやいや、そんなことないしょ」
私もバカになってしまったらしい。
頬を叩いて気合を入れて、勉強に戻った。



