「じゃ、また明日」



無事に駅まで見届けられて、お互いに反対の電車に乗って帰った。


推測するに、神代くんの見られるという予知夢は、正確にいつ起こるのかはわからないらしい。


だって何月何日に起こるってわかっていれば、その時に居ればいい話。


そうしないで必要以上に毎日一緒に帰ろうと誘われているのだから、きっとそう。


神代くんはいつまでこんなことをするんだろう。


私が交通事故に遭うその日まで?


守るって言ったって、一体どうやって?



声をかけて止めてくれるのだろうか。


どんな夢かわからないから、私には何もわからないけれど。



「ただいま」


「おかえり、詩織」



お母さんに出迎えられて、一度キッチンに立ち寄り、お水を1杯喉に流し込んでから部屋へと向かった。


重たいカバンをドサッと無造作に床に置く。