「それで、学校の帰り道で桜庭さんが交通事故にあってそれで……」
言葉を詰まらせるということは、死んだとかなんかだろうか。
随分と物騒な夢。
別に私はいつ死んでもいいと思っているけれど。
心配してくれる友達もいないし、いなくなったところで変わらない。
いや、お父さんとお母さんには申し訳ないかも。
「そもそも、なんで話したことがない私が神代くんの夢に出てきたの?」
「それは……わからないけど」
それも不思議なことだ。
夢って、頭の中で今までの出来事を整理するために見ているものでしょう?
神代くんと関わりのない私が、神代くんの夢に出てくるってところからして信じられない。
「それで、私の予知夢を見たとして、どうしたいの?」
なんでそれをわざわざ私に言ってきたのだろう。
クラスで空気のような存在の私なんてどうでもいいはずなのに。



